何年かぶりに泣いた本「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ

お勧めの本紹介
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こんにちわ!ベルピピです。

瀬尾まいこで、本屋大賞で、面白くないわけないと思っていたけど、

想像を超えて感動しました。明日の会議のプレゼンどうするんだ俺って思いながらも、

火曜日に夜更かししてしまった。そして最後の数ページ、ちょっとだけ泣いた。

まだ半年残ってるけど、今年度一番感動した本はこれだ!!と思う

読み終わった直後の感想と、子供を持つ親の幸せを的確に表現した森宮さんのセリフ

仕事終わり、家族が寝た後23時に読み始めて2時半に読み終わる。

途中何度か明日の会議どうするんだって思いながらも手が止められなかった。

大人になって仕事に差し支える大抵の欲望はある程度抑えられるようになったけど、たまに自分の置かれている状況を忘れて読み進めてしまう面白い本と出合うことがある。幸せなことではあるけど、今回は特にひどくて、中学生の「ハリーポッター」の寝不足ぶりかもしれない。忘れてしまうのがもったいないので、どこにこれほど引き込まれたか考えてみた。そして今は明け方の3時。

社会人生活を10年近く続けているからか図太くなってきて、感受性が衰えてきて昔ほど読書をしても感動しづらくなってきている。自分心の変化を寂しく感じてた。

ふと嫁に「最近本を読んでいても昔ほど感動しないんだ」とセンチメンタルな気分で悩みを相談してみたところ、金曜ロードショーで「耳をすませば」の月島雫ちゃんが同じような発言をしていたようで、他の誰にも相談しないままこの悩みは僕の中で封印していた。

「そして、バトンは渡された」を読んでみて、僕はまだ本で泣くほど感動することができることが分かった。それだけでも読んだ価値があったかな。

たくさんの本を読んでいると感動する本との出会いは多々あるけど、一味違った部分はココ!

よくある感動する本って、文章が上手で物語にの人物にのめり込んで、かなり近い視点で体験を共有したり、疑似体験したりする。更にのめり込んだ状態で気持ちを凹まされる出来事があって、感情を乱高下させられてしんどい部分もある。だけど「そして、バトンは渡された」は一度も大きな落胆がないのに、最後に泣くほど感動してした。ほっこり感しかのこらないところが貴重ですごい本だと思った。

主人公の女の子の置かれた家庭環境は客観的にみると厳しいし、現実にあったら性格が歪んでしまいそうではあるけれど、この物語ではだれも自分のことを不幸だと思っていない。不幸なことも起こるけど、その時に彼女の周りにいる大人が支えてくれて、絶望することなく力強く生きていくので、こちらが凹んでしまうこともない。

バトンを渡していく親たちが全員、本気で彼女のことを愛していて、正しいかどうかは置いておいて、それぞれの軸で自分が彼女のためにすべき行動をとっている。離れていった人もそれぞれの場所からしっかりと愛し続けている。娘を中心にかわりがわりに現れる親たちの人間味を描かれている。

特に共感した言葉が、最後のバトンを持った森宮さんのセリフ

自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな。しかも、ドラえもんは漫画で優子ちゃんは現実にいる

これは継母の梨花さんが森宮さんに説明した子供を持つすばらしさを伝えた言葉。そして森宮さんが娘を持てて幸せだと娘に語る時に伝えている言葉。

娘を持つ親の幸せを言葉した中でこんなにしっくりきた言葉は初めてで、僕も娘がいて幸せを日々感じていたけど、何が幸せかって、こういうことが幸せなんだと思った。読書しているとたまにあるけど、自分のふわふわした感情を言語化してくれて理解が深まるので嬉しい。読書の良い副産物だと思う。

物語の簡単なあらすじ

第1章(P8ーP317)

高校3年生になった主人公の優子と、血のつながらない父親の森宮さん(35歳)との生活が描かれている。森宮さんとの生活は3年目。視点は高校3年生の優子で、森宮さんとの生活に挟まれる形で、過去の実の父親との別れ方や、継母の梨花さんとの出会いと別れが回想されていく。

親らしくあろうとする森宮さんの行動はズレてて面白い感じだけど、愛し方のピントはガチっとはまっていて安心感がある。森宮さんの自身はイマイチ自信をもっていない感じだけど、高校生の優子と信頼関係を築けたのも頷ける。

第2章(P318-P420)

22歳になって結婚を控える優子と42歳になった森宮さん。二人の生活は7年目になっている。1章では分からなかった親たちの行動の真意が結婚報告をするなかで答え合わせ的な感じで分かってくる。結果、ボタンの掛け違え見たいな感じで、かみ合わなくて悲しい思いをさせてしまったところはあったけど、みんな優子のことを愛していたことが分かる。

そして最後の7ページ、森宮さん視点になる。僕が泣いたのはこの部分。ここがなければ泣くところまではいかなかったと思う。家族の形態とか、血がつながってるいないとか、それを超えた絆を感じることができた。

まとめ

最初に書いたけど、今年度一番感動した本にほぼ確定したと思う。月10冊くらい本を読んできたけど泣いた本はほとんどない。しかもお涙頂戴系の感情の乱高下もないなかで、ここまで感動できる本は貴重で、時間を空けて再読したい本だった。特に森宮さんの言っていた娘を持つ幸せについて触れたセリフは、僕の中でも大事な言葉になった。この本のおかげで子供がいる幸せを、本を読む前よりはっきりと理解できた気がする。未来が2倍になって、明日が2つになったことに気づいた僕は、今までの以上に幸せに生きていけると思う。

とにかく最後の7ページは素晴らしかったので、ぜひ読んでみてほしいです。以上。

 

 

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